食べごしらえ おままごと
今週のお題「読書感想文」
好きな本はたくさんあるのだけど、ふと、この本が頭に浮かびました。
石牟礼道子さんの『食べごしらえ おままごと』
土地に根ざした食べもののこと、四季のこと。
記憶を手繰り寄せ、なんとも彩り鮮やかな言葉で綴られたエッセイです。
何年前だろう、お友達が誕生日にくれた本。
特に好きなのは、「草餅」のところ。
幼い掌の窪にこんもりはいってしまう春菜たちは、色も形も香りも截然とちがうのだけど、地に低く入れまざって、野山の青は、まだくっきりしない表情をしているのだった。
なんて豊かな。
その光景と匂いまでもが浮かんでくる。
私の実家は和菓子屋で、私は草餅がとりわけ大好きでした。
蓬の、ちょっと強い草の香り。
余分につくったものや売れ残ったものがあれば、大喜びで食べていたなぁ。
うちのは餡じゃなくて、きな粉をつけて食べるタイプで、まだお砂糖の入っていないきな粉を、自分の好きな甘さにお砂糖を加えて食べる!
うーん書いてるうちに食べたくなってきたぞ…笑
石牟礼さんの本を読みながら、知らない食べ物に思いを馳せ、知ってる食べ物には私の記憶を重ねながら読む。
違う時間、違う場所に生きているけど、食べる、命をいただくことと、自分がこうして生きていて、その食べ物に記憶が重なっていくのは同じだなぁと思いました。
みんなそれぞれの物語をもっていて、その物語を垣間見れるのはなんとも楽しいことですね!
Thank you for reading!